2014年11月5日水曜日

翌日報道

地方銀行大手の横浜銀行と東京都を主な地盤とする東日本銀行が経営統合する方針を固め、遅れていた地銀の再編が連鎖的に進む可能性がある。地銀は情報システムの運営や取引先支援などで緩やな連携を広げており、再編に向けた一定の土壌がある。金融庁も地銀統合を後押ししており、経営トップの再編機運を高めそうだ。  横浜銀と東日本銀は4日「経営統合の可能性について検討している」と発表した。両行は14日にも取締役会をそれぞれ開いて統合を正式決定する見込みで、「準備委員会」を立ち上げて経営統合に向けた詳細の詰めに入る。2016年春にも共同で持ち株会社を設立する方向だ。  横浜銀と東日本銀の統合報道が伝わった4日、地銀業界には衝撃が走った。有力地銀幹部は「地銀の雄である横浜銀行がついに動いた」と驚きの声を漏らす。地銀株に投資する投資ファンド首脳は「地銀業界にドミノ連鎖が起きるかもしれない」と語った。監督官庁の金融庁幹部も「補完関係をきちんとつくれば、強いグループになる」と歓迎する意向を示した。  地銀の再編が進まなかったのは、3メガ銀行などは都市部の大手企業を主な取引先とし、地銀は地場企業などに営業するすみ分けができていたためだ。ただ地方の中小企業も海外展開が進むなど産業界の変革は急ピッチだ。地銀もM&Aの仲介など幅広い金融機能を発揮できなければ、大手銀行に取引先を奪われる懸念があった。  地銀と第二地銀はなお全国に100行超が乱立するが、再編に向けた土壌がないわけではない。預金などを管理する基幹系システムを共同化する動きがある。横浜銀は北海道銀行などとシステムを共通化している。千葉銀行など6行はシステムの開発・運営での連携だけでなく、運用商品の共同開発などに協力関係を広げている。  今年10月には東京を地盤とする東京都民銀行と八千代銀行が経営統合して「東京TYフィナンシャルグループ」が発足した。横浜銀は地銀の代表格だけに、全国の地銀を刺激して「停滞気味だった再編が大きく動き出す可能性がある」(関東地方の第二地銀幹部)という。

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