2014年5月7日水曜日

横浜銀行 NTTデータ 共同マーケティング用顧客情報データベースセンター構築

国内最大級のデータウェアハウス・コンファレンス「Teradata Universe Tokyo 2012」セッションより

http://www.teradata-j.com/casestudy/cas_56.html


横浜銀行と地方銀行 5行は、NTTデータが提供する Teradataデータベースを核とした IT基盤をクラウドサービスとして利用することで、個人リテール分野における金融マーケティングの高度化、人材育成や業務ノウハウの共有実現を目指しています。

2007年、地方銀行 7行の参画のもとに創設された「地域金融マーケティング研究会」。当初は、主に人材育成の観点に立った調査・研究、知見の共有などを中心に活動してきましたが、2010年以降はそうした取り組みを実務領域に拡大。現在では、全国の地銀 21行の参加を得て、調査・研究成果の実務化に向けた活動を展開しています。


2011年 11月には、同研究会に参加する地銀のうち、横浜銀行をはじめとする 6行が個人リテール分野における金融マーケティングに関する提携に合意。顧客のライフスタイルやライフステージの動向に応じた金融ニーズの変化を素早く捉えるための取り組みをスタートさせました。
この実現に向け中核的な役割を果たすのが、共同MCIF(Marketing Customer Information File:マーケティング用顧客情報データベース)センターです。
これは、EBM(Event Based Marketing:イベント主導型マーケティング)を実践していく基盤となるシステムです。具体的には、就職、結婚、住宅購入、退職など、顧客の身に発生するイベントを分析し、最適のタイミングで顧客にふさわしい商品・サービスを提案することで収益拡大を図る仕組みです。
 昨今では、地銀間でのシステム共同化の動きが、勘定系から情報系へと移りつつあり、今回のプロジェクトはまさにその一環となるもの。単にシステムを共同化するだけではなく、情報系システムの活用に不可欠なデータを「価値ある情報」に変換していくための手法、人材育成やノウハウ共有を目的とした組織の構築(ナレッジラボ)なども含めた広範な連携を目指しています。


共同MCIFセンターの構築を、ITベンダーとして全面的に支援しているのが NTTデータです。
システムの構築に当たり同社では、「既存システムで作成しているイベントモデルの継承」や「セキュリティの確保」に加え「サーバリソースの効率的な利用に基づくコストメリットの提供」などを主なコンセプトに据えました。
また、システム的な観点から重要な要件となったのが、「業務データの増加などに応じたスケーラビリティの確保」および「メガバンクなみの大量データを処理するための性能の実現」でした。

こうした考えのもと、NTTデータでは具体的なシステムの検討に着手しました。
まず、分析用ツールについては、他行に比べて MCIF活用の分野で先行している横浜銀行が活用していた「SAS(R) Marketing Automation」の採用を決定しました。
一方のデータベースについては、SAS Marketing Automation による分析に RDBMS の処理能力を活用できる「SAS In-Database」に対応していることを前提に複数製品を検討しました。
その結果、最終的に選定されたのが「Teradata」です。
採用理由としては、多くの SAS関数をサポートするなど「SAS In-Database への対応が最も進んでいる点」や「海外はもちろん国内でも豊富な実績を持っている点」などが決め手となりました。


サービスインは 2013年 3月を予定しているため少し先になりますが、具体的なシステムのイメージは、おおよそ次の通りです。まず、EBM/分析環境に関してはサービス利用銀行ごとのシステムを単一筐体のサーバー上に集約して稼働。
一方のデータベースサーバーについては各銀行のデータを Teradata が稼働する 1筐体のサーバーに集約し、データ量の増加に応じてリソースを随時追加していける形にしています。

サービスイン後、同センターは、参加する地銀の EBM の実践を強力に支援していく役割を担っていくだけでなく、各行が展開するチャネルシステムとの連携も見据えており、営業店やコールセンター、あるいはインターネットバンキングなどの各種チャネルへの EBM情報の配信も行える予定です。
これにより、チャネルの役割や顧客層に合わせたマーケティングをさらに強化していくことが可能になります。これに加え、システムで「交渉履歴」や「成約情報」など EBM に基づく施策の結果情報などの取り込みも計画されており、マーケティングモデルの継続的なチューニングが実現する見込みです。
 さらに将来的には、今回参画している 6行以外の地銀各行にも門戸を開いていく予定で、より地域に密着したきめ細かなサービスを実現していくことになるでしょう。

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